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--- books ---



「海辺のカフカ」(上・下)

:村上春樹
:単行本: 397 p
:サイズ(cm): 182 x 128
:出版社: 講談社
 ISBN: 4103534133 ; 上 巻
 (2002/09/12)
 ISBN: 4103534141 ; 下 巻
 (2002/09/12)

○ 出版社/著者からの内容紹介(from "amazon.co.jp") ○
15歳の誕生日に家を出た少年は高松で「長いあいだ探し求めていた場所」
と感じる私立図書館にたどり着く。

館長の佐伯さんと手伝いの大島さんが運営するその図書館に、
毎日のように通う少年。
しかし8日目の夜突然意識を失った少年は神社の境内で
血まみれになって倒れていることに気づく。

一方、東京中野区で猫探しを仕事とする老人ナカタさんは、
ある日縦長の帽子をかぶり、長靴をはいた奇妙な男と出会う。

第2次大戦中に起こった不可解な事件、「カラスと呼ばれる少年」、
1枚の絵画と歌、殺人、少女の幽霊…。

多元的で重層的に構築されていく物語たちはミステリアスに絡み合いながら、
やがて高松へと収斂する。
(後略)
○ 超個人的レビュー ○

「本当に言いたいことは言葉にならない」ということを
この小説を読んで感じました.

ストーリー云々というよりも読み終わったあとに
何か心の奥底で「じわーっ」と沸いてくるメタフィジカルなものが感じました.
村上春樹氏の今のところ最新刊なのですが、
文体の完全さや成熟さが一行一行から
ふつふつとカラダに染み込むようです.

前回書いた村上春樹氏と村上龍氏の魅力の違いを書きましたが、
まさにこういった「自分の内面を見つめる作業」は
時に考えすぎてネガティブになり、かなりきつい作業です。
毎日規則正しい生活をして、自己治療のように作品を書いている
村上春樹氏のエネルギーが感じられます.

そういった内向的思考でもキーワードは「世界一タフな15歳」、
おまけなキーワードは「ウナギはナカタの好物であります」.
人それぞれの捉え方がありますので、押し付けませんが…
 
因みに、最近「少年カフカ」というこの本を読んだ読者と
作者である村上春樹氏のメールのやり取りを
一冊にまとめた本が刊行されています.

このレビューは次回に.


「インターネット的」
:糸井重里
:新書: 236 p
:サイズ(cm): 18
:出版社: PHP研究所
  ISBN: 4569616143 ; (2001/07/14)

○ 出版社/著者からの内容紹介(from "amazon.co.jp") ○

「インターネットそのものが偉いわけではなく、
インターネットは人と人をつなげるわけですから、豊かになっていくかどうかは、
それを使う人が何をどう思っているのかによるのだとぼくは考えています」

糸井重里のこの言葉に、本書のテーマと主張がつめ込まれている。

人々のこの新しいつながり方、豊かさ、あるいは新しい価値観
(「インターネット的」としている)を、自らが主宰する人気サイト
「ほぼ日刊イトイ新聞」の体験をもとに示していこうという。

その行き着くところにユートピア的な世界を見出そうとする、
野心作といえる。(後略)
○ 超個人的レビュー ○
このページでもリンクを貼っている「ほぼ日刊イトイ新聞
http://www.1101.com/)」の主催でもある糸井重里さんの著書です.
題名から「インターネットの話」と思われますが、
実際はこれからの生き方・ビジネスのあり方などの方法論に
「インターネット的」という提示をされています.
 
その「ほぼ日」のあり方・取り組み方を
もっといろんなところで活用できないだろうか?という本です.
 
この中で「リンク・フラット・シェア」という言葉が本の最初から出てきますが、
この精神はとても良いし、これからの「ポスト資本主義」の時代だからこそ
使いたい精神ではないでしょうか?

思考的・実践的にもとても役立っています.

「会社はこれからどうなるのか」

:岩井 克人
:単行本: 341 p
:サイズ(cm): 182 x 128
:出版社: 平凡社 ;
 ISBN: 4582829775 ; (2003/02)

○ 出版社/著者からの内容紹介(from "amazon.co.jp") ○
資本主義のグローバル化、IT革命に金融革命。90年代より、
好景気に沸くアメリカを発信地とする新しい波が押し寄せている。
かたや、未だ「失われた10年」から脱出しきれていない日本は、
日本的経営の長所に対する自信までをも失ってしまった。

しかし、会社は株主のものでしかないというアメリカ的な株主主権論は、
「ポスト産業資本主義」と呼ばれるこれからの時代、
本当に「グローバル標準」としての地位を確立するのだろうか。
(後略)

○ 超個人的レビュー ○

現在一貫して「何か」を求めて読書をしています.

前回の「文体とパス〜」の中で
「これからは自分の頭で考えて行動し、高度なスキルで武装しなくてはならない」
という言葉があります.
僕は多分普通の社会人ではないし、問題をかなり背負ってます.
これから多分誰に庇護されるわけでもなく「個人」で生きてたいと思ってます.
 
そんな中、「どうやって生きていくのか?」という命題に対して、
ある意味「効率良く」答えをひとつひとつ求めていかなくてはなりません.
クリエイティブの仕事や音楽の仕事の中でこういった「経済」の本は、
不必要なものだと言うヒトがいるかもしれませんが、
それはそれで良いでしょう.
 
この本はとても読みやすいし、
最近良く書いている「ポスト資本主義」と言うものについても書いてあります.

結局、資本主義というのは「何かを作って、それを売った差異によってお金を得る」
というとてもシンプルな構造と言うものを改めて感じました.
「今更…」かもしれませんが、一番忘れてはいけないことではないでしょうか?

何だか肩の力が抜けた気がして、
いろいろな物事が進みやすくなったのも事実です.

そして、今まで以上のジレンマも感じてます.

また、言えることは「自分で何か考えているヒト」や「そうしたいヒトにとって
とても有意義な情報が詰まったモノばかり薦めてます、ハイ.

「最後の家族」
:村上龍
:文庫: 358 p
:サイズ(cm): 148 x 105
:出版社: 幻冬舎
ISBN: 4344403576 ; (2003/04)


 

○ 出版社/著者からの内容紹介(from "amazon.co.jp") ○

引きこもりを続け家族に暴力を振るう二十一歳の秀樹。
援助交際で男と出会う女子高生の知美。若い男と不倫をする昭子。
会社からリストラされる秀吉。過酷な現実にさらされ崩壊へと向かう内山家。
一人ひとりはどうやって生き延びていくのか?
家族について書かれた残酷で幸福な最後の物語。
テレビドラマ化もされたベストセラー、ついに文庫化。

○ 超個人的レビュー ○

ちょうどこの原稿を書いている最中に長崎での事件についての情報が
かなり頻繁に報道されています.

映像である大臣の発言が僕を大きな無力感に覆いました。
例の「親の責任…」というものです.

この事件に関しては今僕なりに考えているのですが、
一言であの少年の動機が「全くわからない」ということを言わず、
誰かの責任にして安心したい、もしくは自分の価値観を疑わずして、
物事を決めてつけているとしか思えませんでした.
 
他のヒトの意見など未だ全く聞いていないのですが、
ずっとコラムも言っていた「わからない」という不安要素を
全く門外漢にしたとしか思えません.
 
「家族」だからといって全てを理解しているという「甘え」や「依存」から来る
旧来のミスコミュニケーションの時代は終わっているのに…
本当に無力感に包まれていて、
何に対してか判らない「怒り」があることは事実です.

丁度この小節を読み直そうとしていた矢先の話でしたので.

---読書後---
本来、「救う」「救われる」という関係が「安心」という
閉鎖的コミュニケーションのなかでのうのうと息付いています.

その疑問からこの小説は書かれています.

上記の問題もこのあたりのこともファクターではないでしょうか?
その答えは「その人が完全に一人で生きていく(自立)ことが結局、
そういうことにつながっていく」ということを忘れていました.

「報道は欠陥商品と疑え That’s Japan」

:鳥越俊太郎
:単行本: 102 p
:サイズ(cm): 21
:出版社: ウェイツ ;
:ISBN: 4901391224 ; (2002/09)

○ 出版社/著者からの内容紹介(from "amazon.co.jp") ○
情報の真贋を見極めることは、
報道に携わる人間の資質でありモラルでもある。
しかし、現在は報道も消費の対象であり「娯楽」でもある。

長い記者生活の中で真実を追い続けてきた鳥越が、
報道のありかたに警鐘を鳴らす。

○ 超個人的レビュー ○

このリストを作っている段階では未だあの事件は起きては居ませんでした.

この本を読んで結局マスコミ等の情報というのが
「速度優先の欠陥商品」であることを知りませんでした.
それまではそれらの情報を「確かなもの」で括っていました.
 
「何が正しいのか?」という定義より
「他局よりも新鮮で且つ目立つモノ」ということのほうが
要はプライオリティが高いということですし、
それに伴う誤情報に対しての徹底した検証は行われず
うやむやにするといった「クサイモノには蓋をしろ」的.
 
丁度「自分の頭で考えて行動する」ということを
少しずつ実践しようとしていた矢先でしたので、
これに対しての同意度高かったです.

これから「何が正しい情報なのか」や「何が自分にとって必要な情報なのか」
ということをはっきりと見据えないといけないと思います.

「時代が狂っている」という安易な答えで「安心」出来ない時代は、
われわれがわからないうちにもう根が生えていると思います.


「かえるくん東京を救う」
〜「神の子どもたちはみな踊る」より
:村上春樹
:文庫: 237 p
:サイズ(cm): 148 x 105
:出版社: 新潮社
:ISBN: 4101001502 ; (2002/02)

○ 出版社/著者からの内容紹介(from "amazon.co.jp") ○
1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。

そして2月、流木が燃える冬の海岸で、
あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、
かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、
世界はしずかに共振をはじめる…。
大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。

でも、おそらく、あの震災のずっと前から、
ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた―。

深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。
○ 超個人的レビュー ○

この短編集の中の作品はどれも良いのですが、
このタイトルの作品は僕にとって群を抜いて珠玉な作品です.

登場人物であるかえるくんがとてもクールで、
片桐が「かえるさん」と呼ぶとそれは彼にとって不本意らしく、
人差し指を立てて「かえるくん」と訂正するあたりが
何とも言えないですね.
村上春樹氏の小説は何かあらわせない「一貫性」があります.
紛れも無くこの短編一つ一つにもそれはあります.

この小説はレビューにもあるとおり「地震のあとで」という
1995年の「関西大震災」の後に書かれたものです.

 
とてもデリケートな問題でこの場所で出すのはと悩みましたが敢えて.
 
皆さんは未だに「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」で治療されている方や、
サリン事件の後遺症のリハビリをされている方の存在について、
そういう事実の認識はありますか?



--- cinemas ---

「アメリ」
(原題:Le fabuleux destin d'a Amelie Poulain) 

出演: オドレイ・トトゥ,
    マチュー・カソヴィッツ, その他
監督: ジャン=ピエール・ジュネ

○ 出版社/著者からの内容紹介(from "amazon.co.jp") ○
『デリカテッセン』『ロスト・チルドレン』で知られる
ジャン=ピエール・ジュネ監督が、
モンマルトルの街で夢見がちに生きる若い女性の軽やかな日常を描いた、
ポップなヒロイン・ムービー。

22歳のアメリ(オドレイ・トトゥ)は、
ある日“他人を幸福にする喜び”に目覚めて密かな悪戯にひたっていくが、
やがてひとりの青年に恋したことで、メ
ルヘンの世界から現実へ踏み出す必要へと迫られていく…。

(後略)
○超個人的レビュー

「見た人が幸せになる」ということがキーワードです.

オトナでも楽しめ、子供でも楽しめるという作品かと思います.
見た人によっては、「内向的過ぎないか?」という側面もありますが.

映像センスも、恋愛に対しても、登場人物の設定にしてもシニカルに
表現されているのですが、それがかえって押し付けでもなく良いです.

ポスターなどでのグリーンと赤の配色のセンスが、一歩間違えたら
とんでもなくなりそうな雰囲気を、
ちゃんと着地させているセンスも好きです.

とても「ほっ」とする映画のひとつです。

因みに、このアメリの恋人役のヒトは
ジャン・レノ主演で知られる「クリムゾン・リバー」の監督でもあります.
海外ではいろんな顔を持つヒトが多いですね.

Official Site : http://www.amelie-movie.com/

「小説家をみつけたら」
(原題:Finding Forrester)
出演: ショーン・コネリー
ロブ・ブラウン, その他
監督: ガス・ヴァン・サント

○ 出版社/著者からの内容紹介(from "amazon.co.jp") ○

高校生のジャマールは、処女作にしてピューリッツァー賞を受賞しながらも、
その後消息を絶った伝説の大作家フォレスターと知り合う。
フォレスターはジャマールの文才を認め、
自分のことを秘密にするという条件で、彼の文筆指導を始めていく…。

年齢や人種を越えた友情を、文筆をとおして描くというアイデアが光る、
ガス・ヴァン・サント監督によるヒューマン・ドラマの佳作。
名優ショーン・コネリーの他者では決して醸し出せない威厳と存在感が、
作品を幾重にも深いものとしている。

「まず感じたままに書け。推敲で頭を使え」と説く彼の教えの一言一言は、
実にすばらしい文筆のテキスト足りえており、観終えた後、
NYジャズをBGMに文章を書いてみたくなるような、そんな小粋な作品である。

○ 超個人的レビュー ○
2000年、僕にとってのベスト1の作品でした.
映画館に3回通いました.

実は子供の頃から今にいたりの「読書遍歴」が稿を評してか、
なりたい職業のなかに「小説家」というものがありました.
当時は江戸川乱歩や横溝正史という推理モノしか読んでいなかったので
「推理小説家」でしたが…
 
高校に入ってから、
父の職業の関係がきっかけでバスケットボールにのめりこみました.
そんなアタシにはぴったりな映画だったのです.

この映画の中で小説家役のショーン・コネリーの言葉ひとつひとつが、
今の細々とした「表現」というプロットの中でも役立ってます.
そのひとつに、
「自分のために書いたモノは、他人のために書いたモノより優れている」
という台詞もありますし、レビューの中の台詞もあります.
 
ブロンクスの日常も交えながらのサリンジャーのような小説家と、
天才少年(と書くと凄そうですが、かなり普通の少年に描かれてます)との
心のやり取りが、今でも浮かび上がってきます.

個人的にかなり秀作だと思います.
 
因みに、主人公ジャマールを演じた少年は、
ただ「携帯電話の料金を払いたかっただけ」のためにオーディションを受け、
配役されたという新人ですが、
全くあのショーン・コネリーと等価に演じてます.

世の中にはすごいヒトもいるものですね.

「アリー My ラブ」
(原題:Ally McBeal)

出演:キャリスタ・フロッグハート
    ギル・ベローズ・
    ピーター・マクニコルその他
脚本:デビッド・E・ケリー

○ 出版社/著者からの内容紹介(from "amazon.co.jp") ○
1997年にアメリカで放送開始され、
日本でもNHKでの放送やビデオリリースで人気となったテレビドラマシリーズ。
セクハラ問題で勤めていた法律事務所を辞めた弁護士アリー。

直後に出くわしたかつての法律学校での同級生リチャードに誘われ、
彼の経営する事務所に勤めることになるが、そこでかつて別れた恋人ビリーと再会。
互いに未練は残るが彼はすでに結婚しており、
つらい中、弁護士としての新たな生活が始まっていく。

自意識過剰気味なヒロイン、
アリーの誇大妄想が特殊技術を駆使した映像で表現され、
個性的な同僚や友人といったキャラクターと相まって
実に楽しいコメディドラマとなっている。

(後略)

○ 超個人的レビュー ○

はっきり言ってこのドラマは
僕の価値観をガラリと変えたと言っても過言では無いでしょう!
 
最初は「アメリカの恋愛ドラマ」という枠で
レンタルビデオで見てみたのですが何故か心を捕らえてられしまいました.

「恋愛モノ」に囚われず、裁判が絡んでいるので
「人種問題」や「宗教観」「個人として生きていく」
そして「セクハラ」というアメリカのカオスみたいなものが、
奥深くちりばめられていて、全く深いテーマでした.

結局第5シーズンまでで終了しましたが、
個人的には「ロバートダウニーJr」が出ていた
第4シーズンがあえて言うなら好きですかね.

音楽面もかなり充実していて珠玉のポップスが、
各々のシーンやパラグラフで効果的に流れてきます.

先日亡くなられた「バリーホワイト」や「スティング」、「エルトンジョン」
「アルグリーン」なども出演したりしてますし、
実際に第5シーズンでは「ボンジョビ」もアリーの恋人役で出演してます.

特に時代とリンクしていてあの「9.11」の際も、
その喪失感もリアルに描かれていました.

日本でのこういうドラマって何で薄っぺらく感じるのでしょうかねぇ…

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